「オッペルと象」セミナー開催しました
6月1日、劇団内で「オッペルと象」をより深く学ぶために、セミナーを開催しました。
今回は、【宮沢賢治「オツベルと象」を読むー〈労働〉の寓話としてー】と題し、白梅学園大学 准教授・鬼頭七美先生をお招きし、講演をして頂きました。
鬼頭先生の研究分野は「明治期の新聞小説、ジェンダー論、メディア論」。
大正15年に発表されたこの「オツベルと象」の歴史から、「オツベル」か「オッペル」かという推移まで、まず始めにお話しいただきました。
様々な解釈がなされている「オッペルと象」。今回は〈労働〉をテーマとした切り口で読み解いていきました。資本主義社会の構造を映し出した作品。白象のやりがいを搾取する、地主のオッペル自身も、資本主義社会のシステムに飲み込まれた一人であり、社会と労働の問題が見えてきます。
宮沢賢治作品、そしてこの「オッペルと象」をめぐっては、プークが長い間対峙してきた謎や課題が山のようにありました。そのような中、白象とオッペルの二つの世界(体制)についての賢治自身の解釈に言及する質問に対し、研究者としては答えられないとの鬼頭先生の言葉がありました。そうなのです。この作品はこうだ、という答えはどこにもありません。プークの「オッペルと象」をどう解釈し、どう芝居にしていくか、一人一人が考えるヒントをもらった有意義な時間でした。
※白梅学園大学にて公開講座が7/27にあります。ご興味のある方はぜひご参加ください。
詳細・お申込み方法は下記アドレスをご覧ください。
白梅まなびの教室
【宮沢賢治「オツベルと象」を読むー〈労働〉の寓話としてー】
http://daigaku.shiraume.ac.jp/openlecture/
今回文献を調べる中で、元代表者・川尻泰司の言葉など、プークの貴重な資料も国会図書館から見つけてくださいました。先生からは「プークの研究をしたら楽しそうですね!」との発言も。ぜひぜひ~♪
最後にはなんと「オッペルと象」のテーマ曲「なかまの歌」を大合唱。プークにはいつもどこにでも歌があります。先生にもこの機会を楽しんで頂けたようで何よりでした。
時には意見を戦わせながらも、みんなで心を一つに、この「オッペルと象」をお届けしたいと思います。今を生きるすべての人に・・・
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